書評

櫻井よしこが読む『自衛隊幻想 拉致問題から考える安全保障と憲法改正』 一体この国は誰が守るのか?

 では国民と国家を守る実力部隊としての自衛隊はどうか。彼らとて、拉致問題解決は軍の責任だとはとらえていないという衝撃的な実態が指摘されている。また、たとえそうとらえていても自衛隊が北朝鮮で救出作戦を展開することができないのは、安保法制が整えられた今も同じだと、3人は冷静に指摘する。

 そんな国家であり続けてよいはずがない。3人は具体的に指摘し、熱く叱咤(しった)し続ける。拉致もテロも国土を奪われる危険も、すべて私たちの眼前にある危機なのだ。危機回避の最低必須条件はどう考えても憲法改正にある。憲法改正が欠かせないと考える日本人の心にある。日本を愛する全ての人に、本書を読んで、その指摘に応える民意形成を急いでほしいと、願わずにいられない。(荒木和博、荒谷卓、伊藤祐靖ほか著/産経新聞出版・1200円+税)

 評・櫻井よしこ(ジャーナリスト)

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