長野県は作業期間中に、水位の変化に伴って起こるダム本体のわずかな変形量のほか、岩盤との継ぎ目からの漏水量や地滑り対策を実施したエリア、地下水位の変化などを観測する。それにあわせて安全を確認するために職員が24時間態勢で管理事務所に常駐する。
10月11日に現地で行われた湛水式では、県や工事関係者ら約20人が見守る中、県長野建設事務所浅川改良事務所の小林功所長が「湛水開始」を宣言し、排水口のゲートが閉じられた。
長野県は「安全性を示し、住民の理解が得られるように努めたい」(河川課)という。脱ダム宣言に先駆けた工事中断から16年。混乱は何を残したのだろうか-。
(長野支局 太田浩信)