80周年記念で文学座が水上勉の「越前竹人形」を上演 助川嘉隆「喜助像を徹底追究」

男と女の悲しい運命を描いた「越前竹人形」で(左から)喜助を演じる助川嘉隆と玉枝役の山本郁子=10月13日、東京都墨田区(兼松康撮影)
男と女の悲しい運命を描いた「越前竹人形」で(左から)喜助を演じる助川嘉隆と玉枝役の山本郁子=10月13日、東京都墨田区(兼松康撮影)

 文学座が創立80周年記念公演として、25日から水上勉の代表作「越前竹人形」を上演する。故郷の福井県を舞台とした水上の名作を喜助役の助川嘉隆、玉枝役の山本郁子らが演じる。

 越前の寒村「竹神村」は竹細工の産地。名人と呼ばれた父を亡くした喜助を、父に世話になったという芦原の娼妓(しょうぎ)、玉枝が訪ねる。やがて、喜助は玉枝を妻として迎え入れ、竹人形師として世間に認められるようになるが、玉枝には指一本触れようとしなかった…。

 過去にも水上作品による名作舞台を残してきた文学座だが、「越前竹人形」は初めて。高橋正徳が現代の視点から演出した。

 助川は「好きな女性に来てもらえば本当はハッピーエンドなのに、喜助には屈折した部分がある。その屈折を自分でも理解しないと表現できない」と、喜助像を突き詰めてきた。その過程で、「喜助は僕に似ている部分がある。だからこそ出せる部分や出せない部分もある」と感じた。7年ぶりの舞台となる助川に、高橋が「役者の勘を取り戻させてくれるように、稽古以外の場所でも話しかけてきてくれた」という。