浪速風

しびれるほど格好よかった

ラグビー第32回日本選手権決勝で突進する神戸製鋼の平尾誠二(右)。大東大に圧勝し7連覇を達成した=平成7年1月15日
ラグビー第32回日本選手権決勝で突進する神戸製鋼の平尾誠二(右)。大東大に圧勝し7連覇を達成した=平成7年1月15日

「お前のラグビーはおもろない」。同志社大に入学した平尾誠二さんは、ラグビー部の岡仁詩部長にこう言われた。「俺が蹴ると思ったら必ず蹴る。パスすると思ったらパスする。走ると思ったら走る。ラグビーは人間がやるものやないか」。選手の自主性を重んじ、型にはまらぬ平尾ラグビーの原点である。

▶もう一つの転機があった。大学を卒業して英国に留学中、男性ファッション誌にモデルとして登場したことがアマチュア規定違反に問われた。叱責され、帰国して神戸製鋼に入った。「あの一件がなければ日本に帰っていなかったでしょう」。神戸製鋼の日本選手権7連覇もなかった。

▶大学選手権に3連覇した直後に同志社のグラウンドを訪ねたことがある。年上の大八木淳史さんが一目置くほどのオーラを放っていた。常に世界と戦うことを考えていた。3年後には日本でラグビーW杯が開かれるというのに。早すぎる死は自身のシナリオにもなかっただろう。