暴言大統領訪中

中国、朝貢要求? 「スールー王国」冊封、来年600年で交流行事

 中国の習近平国家主席は、20日行われたフィリピンのドゥテルテ大統領との会談で、両国の交流行事として、15世紀のフィリピン諸島に栄えた「スールー王国」の明朝中国への朝貢から600年の記念活動を来年実施する考えを伝えた。

 中国国営新華社通信は、首脳会談の記事で「朝貢」との表現を避け、「スールー王の初訪中」「600年前の首脳外交」として、両国の長い交流を強調した。

 中国の威信拡大に熱心だった明の永楽帝は、「鄭和の南海遠征」などを通じ、アジアの小国に朝貢を促した。これに応じて、スールー王国から3人の王が1417年に北京を訪れ、宝玉などを献納して冊封(さくほう)されたと伝えられる。

 ドゥテルテ大統領は、中国の南シナ海支配を否定したオランダ・ハーグ仲裁裁判所の仲裁の棚上げに事実上応じ、経済援助を中国から取り付けた。中国が、15世紀の朝貢関係をあえてフィリピンに示した真意は説明されていない。(山本秀也)

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