プロ野球

両監督のベンチワークが流れを決める、戦力拮抗「3点勝負」か…日本シリーズ展望・太田幸司

 今年の日本シリーズはリーグチャンピオンが争う本来の形となった。投打ともに同じような戦い方で勝ち上がってきたチーム同士だけに、接戦が予想される。

 先発投手陣をみると、日本ハムは大谷が第1戦のマウンドにあがる。CSファイナルステージ初戦で7回1安打無失点。第5戦では抑えで登板し、プロ野球記録を更新した剛速球で必勝を期す。有原、増井らがどうつなげるか。

 広島は大谷とエース対決になるジョンソン、リーグ最多勝(16勝)と最高勝率(8割4分2厘)の野村、今季限りで現役引退を表明した黒田はチームのメンタル面での原動力として期待がかかる。

 ともに先発陣は豊富だが、短期決戦ではリリーフ陣がカギを握る。抑えのマーティンをけがで欠く日本ハムはバース、谷元、宮西、広島は今村、ジャクソン、中崎へのベンチの継投判断が重要になるが、リリーフ陣の安定感では広島が上とみる。

 攻撃面では日本ハムはCSで2本塁打、5打点の好成績を残した4番中田を中心に大谷、レアードに長打力があり、近藤も得点源になりそう。

 広島は1番田中がCSで驚異のハイアベレージ(8割3分3厘)をマーク。レギュラーシーズンでチームを牽引(けんいん)した菊池、丸が調子を落としているのは気がかりだが、初戦で大谷を打ち崩せば、一気に勢いづく。

 ただ、ともに大量点を見込めないことから「3点勝負」になるだろう。

 投打で戦力が拮抗しているため、両監督のベンチワークがシリーズの流れを決めるポイントになる。第7戦までもつれ込めば、本拠地で戦える広島が「地の利」を生かしそうだ。(毎日放送解説者)

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