一杯呑むごとに皿を捨てていた…「今昔物語」の舞台、藤原為元邸跡から大量の皿が出土

一杯呑むごとに皿を捨てていた…「今昔物語」の舞台、藤原為元邸跡から大量の皿が出土
一杯呑むごとに皿を捨てていた…「今昔物語」の舞台、藤原為元邸跡から大量の皿が出土
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 京都市中京区にある平安時代の貴族、藤原為元邸跡から酒宴に使われた酒器の小皿などが出土し、民間調査会社「国際文化財」(東京)が20日の地元住民向け説明会で公表した。為元は、平安後期に編集された説話集「今昔物語」で泥棒に入られたことが記述されている。出土した皿は数千枚にもおよび、華やかな藤原一族の暮らしぶりがうかがえる資料になりそうだ。

 マンション建設に伴う発掘調査で出土した。

 今昔物語では、大みそかに近い日に為元邸が盗みに入られたが、目撃者の話として、泥棒は位の高い女性を人質に取り、馬で逃走したことなどが紹介されている。

 後に為元邸は火災に遭いながらも、現在の警察庁長官にあたる検非違使(けびいし)別当の藤原顕長(あきなが)、さらには左大臣、藤原実定(さねさだ)の手に移っていることが古文書などから判明している。

 数千枚の小皿が出土したことについて、国際文化財の辻広志主任調査員は「皿の形から為元からの3代、約100年間を網羅しているとみられる。当時の酒宴は1杯飲むごとに皿を廃棄していたため、膨大な数になったのだろう」と説明している。

 また、今回の調査では、平安京を南北に走っていた油小路(あぶらのこうじ)と邸宅を隔てる塀跡や内溝(うちみぞ)も出土。同志社女子大の山田邦和教授(考古学)は「内溝は相当の階級を持つ貴族邸があった証拠で、平安貴族の優雅な暮らしぶりをうかがわせる資料になる」と評価している。