連合傘下には原発の再稼働に理解を示す電力労連が控えており、極端な「反原発」政策を取るわけにはいかない。民進党も本来、原子力政策に関する基本政策は「2030年代の原発稼働ゼロの実現」であり、原子力規制委員会の安全確認を得たものは再稼働を認める立場。「即座の再稼働反対」という共産党の主張とは異なるのだ。原発政策が争点となった新潟県知事選で、民進党が「自主投票」と判断したのは、こうした深い事情もある。
逆に、民進抜きとなった米山氏の選挙戦は、共産党の志位和夫委員長や小池晃書記局長が続々と参集。地元の共産党員がポスター貼りを手伝うなど、共産党色が濃いものになっていた。
民進党では、前原誠司元外相や赤松広隆前衆院副議長らが勝手連的に応援していたが、蓮舫氏は選挙期間中、「県連の判断を尊重する」として静観する姿勢をみせていた。
これをひっくり返して支援を決めたのは、米山氏の優勢が濃厚となった14日。党関係者によると、当日朝にいきなり新潟入りを決断し、野田佳彦幹事長らの制止を振り切って上越新幹線に乗ったという。
この方針転換を「待ってました」と大歓迎したのが共産党だ。志位和夫委員長は16日夜の記者会見で「蓮舫代表も応援に来られ、実質的に民進党も含む野党共闘が作られた」と総括。「米山氏の勝利は、全国での野党と市民のあらたな共闘を促し、日本の政治の前途に大きな希望をもたらす文字通りの歴史的勝利だ」と強調した。