経済インサイド

お家騒動の大戸屋HD「お骨事件」とは…創業者未亡人と社長が社内で対峙 テレビドラマもびっくりの修羅場だった 

 対立が深まる中、会社側は「外部」に解決の糸口を求めた。

 今年8月、会社側は弁護士らによる第3者委員会を設置。対立の調査を開始した。しかし、調査は創業家側からの協力を得られなかった。会社側が設立した第3者委員会の協力を拒否するほど、創業家の不信感は高まっていた。

 もとより、本来であれば当事者同士で解決すべき案件を、会社側が第3者に委ねた時点で対立の解消は難しかったのかもしれない。

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 双方が歩み寄りの努力を見せたこともあった。

 お骨事件にさかのぼること10日ほど前の昨年8月下旬、東京都杉並区のとある焼き鳥屋。そこは病気に伏せていた久実氏が行きたがっていた店だった。

 窪田社長と智仁氏は久実氏の秘書らも引き連れ4人で追悼のために、その店を訪れた。窪田社長と智仁氏にとっては、2人の関係を修復させる意味もあったとみられる。

 しかし、酒が入るにつれ2人は、「僕が正当な事業の継承者だ」(智仁氏)「そんなこと言ってたら、お前には無理だぞ」(窪田社長)などと言い合いに発展。久実氏のせっかくの追悼の場で、両者の関係は逆に悪化してしまった。

 第3者委員会で調査報告書をまとめた赤松幸夫弁護士は対立の主な原因について「窪田社長ら経営陣と創業家の双方にある」と指摘する。だが、両者は互いに代理人弁護士を立てるなど、直接対話が困難なほど関係はこじれている。

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