地球規模でヘルスケアに技術革新を
技術革新が解決するのは環境問題だけではない。ヘルスケアの分野でも技術革新を通じて世界的な取り組みを行っている日本企業がある。
ジールコスメティックスは、高品質のスキンケア製品を医療・美容業界に販売する一方、オーラルケアやサプリメント、日用品を含めたヘルスケア用品も手掛けている。
同社の創業は2011年。現在は「肌トラブルに悩んでいる人が、美しさに自信を持てるライフスタイルを取り戻す」ためのスキンケア製品を数多く取り揃えている。
これまで、同社は製品製造や皮膚浸透システムについて画期的な開発成果を上げてきた。そのなかでも特に重要視されているのが、ダチョウの無精卵から抽出した抗体の活用という他に類をみない取り組みだ。この抗体を製品に取り入れることで特定の種類のバクテリアやウイルス、アレルギーから肌を守り、肌荒れやアレルギー、また感染症を防ぐことができる。
創業者でもある前田修社長は、ダチョウ由来の抗体は美容製品のみならずヘルスケア製品にも幅広い応用ができるとし、
「現在は海外の研究期間と積極的につながりを深めており、ダチョウ抗体の研究、そして感染症やアレルギーに悩む人に向けた製品開発を進めている」と述べた。
同社は、シンガポール科学技術研究庁の分子・細胞生物学研究所(IMCB)との合同研究で、ダチョウ抗体をデング熱予防に応用する研究を進めているという。前田社長は、東南アジアと南米では、デング熱は深刻な問題になっている感染症だと指摘。
「抗体の有効性が証明できれば、シンガポール政府と提携した製品開発を目指す」と語った。