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世界市場の制覇を目指す日本の食品メーカー

日本の人口が減少し、単身世帯が増加するなか(人口の約31%にあたる160万人が独り暮らしで、この数は2035年までに37%まで増加すると見込まれている)、生活面では自宅で料理をする機会が減る傾向にある。大谷社長は「加工食品分野はこの傾向によって需要が急増し、当面成長が続く」と述べた。加工食品のような製品は、ニチレイの顧客基盤となっているコンビニエンスストアやレストランなどが消費者に対し、より簡単に食事を提供できるようにする。さらに大谷社長は「家庭向けの加工食品に関しては、メインとなるおかずやチャーハン、焼きおにぎり、塩分控えめで健康に配慮した野菜製品など、家庭における調理の減少を補うような商品を開発している」と付け加えた。

大谷社長は、ニチレイの流通センターや輸送・配送ネットワーク、ロジスティクス分野の人材が全て社会インフラの一部であり、昨年、前年比20%増の210億円に達した利益は社会的責任によって支えられなければならないと認識している。「2015年度のニチレイの成功は、生産能力と保管能力を増強するために行ってきた投資の成果が形になって現れた」と語った同社長だが、それに加えて地球温暖化の脅威、地球規模の食料供給における持続可能な生産の必要性、および生物多様性の3点に対する会社の認識についても強調した。

また、大谷社長は「食品を提供するうえで、私たちは自然の豊かさに頼っている。だからこそこの3つの柱は固守していく」と結論づけ、さらに「私たちの会社が存続していられるのも豊かな自然のおかげ。ゆえに環境を守らなくてはならないと考えている。ニチレイはたんに食品を製造するのではない。環境保全と持続可能な生産という主要目標を実現し、企業理念を反映した製品づくりを行っている」と付け加えた。

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