「絵になる商店街」あふれる人情 大阪・東成、地元男性が100店に手書きイラスト 弾む会話、広がる交流

 42歳のときに大手企業の営業職から同区内の介護事業所の管理者に転じた神野さんは、地元のお年寄りたちに似顔絵を贈るなど交流を深めるうちに、商店街を頻繁に訪れるようになった。

活性化へ「営業」

 その一方、シャッターを下ろしたままの店舗が、何軒もあることが気になった。聞けば、周辺の大型商業施設に客が流れるなど、他の商店街と同じ悩みを抱えるという。活性化につながることはできないか-。思いついたのが得意の絵だった。

 絵は、カメラで収めた構図をボールペンで描き起こし、パソコンに取り込んで色づけしているため、独特のタッチが表れている。今年6月から各店に「絵を描かせてほしい」と飛び込み営業を開始。初めは不審に思われることもあったが、徐々に協力を得られるようになったという。

 1枚目のモデルとなった「戸上漬物店」の店主、戸上定行さん(68)は「『これ、どしたん?』と、お客さんと会話が弾むことも増えた」と顔をほころばせる。神野さんが1日1枚ペースで描き進めた絵は10月までに100枚を数え、大半の店頭に並ぶ。

来月には展示会

 絵に添えるメッセージは、店舗を訪れたときに聞いた会話や印象から直感で付けた。繊細な商品を作る洋菓子店には「ひとつひとつ、まごころこめて」。婦人服の店は「おはようの服も こんにちはの服も おやすみなさいの服も」とコピーライターさながらの言葉がつづられている。

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