数字から見えるちば

イセエビ漁獲量、全国トップクラス

 ■豊かな海流 ブランド育つ

 □ちばぎん総研調査部研究員・渡辺麻友

 イセエビと聞くと、その名前から三重県の伊勢を思い浮かべる人が多いかもしれないが、千葉県も全国トップクラスの漁獲量を誇っている。農林水産省によると、千葉県の平成25年の漁獲量は233トンで全国1位(26年は三重県に次ぐ2位)となっており、両県で全国漁獲量の40%を占める。漁獲量が年によって大きく変動するのは、沿岸部で生まれたイセエビの幼生はプランクトンを求めていったん外洋に出てしまい、海流に乗って磯場に流れ着いたものだけが成長することによるもの。

 房総半島沖は、南下する寒流(親潮)と北上する暖流(黒潮)がぶつかりあい、栄養分豊富な親潮が黒潮に温められてプランクトンが増殖する。そのため、昔からイセエビをはじめとして、マイワシやサンマ、イカ、カツオ、サバなどの豊かな漁場となってきた。

 そんな栄養豊富な海流で育って房総沿岸に定着したイセエビは、身がプリプリと引き締まって甘みが強いほか、他県産に比べて甲殻の色が濃く、ゆでると真っ赤になるので正月飾りとしても重宝されてきた。

 イセエビ漁の資源管理は厳格で、漁獲禁止期間や漁獲できる大きさが定められている。イセエビの繁殖期は水温が上がる5〜8月だが、千葉県は日本最北の漁場で水温が下がり始める時期が早いため産卵期が終わるのも早く、漁の解禁日は8月1日と三重県や和歌山県(10月解禁)よりも早く、全国に先駆けて新鮮なイセエビをいただくことができる。

 千葉県の中でも夷隅東部漁協(大原港など)、新勝浦市漁協、御宿岩和田漁協で獲れたものは「外房イセエビ」として、千葉県ブランド水産物にも認定され、地域が一丸となって販売促進やPR活動に取り組んでいる。とりわけ御宿町では、毎年9〜10月にかけて「おんじゅく伊勢えび祭り」が開催され、協賛店においてお造りや焼き物、サラダ、汁ものなどのイセエビ料理を味わうことができるほか、イセエビ汁の無料配布やイセエビの直売、イセエビつかみ取りなどのイベントも行われ、東京近郊からも観光客が多く訪れることで、地域起こしに一役買っている。みなさんもこの秋には外房に足を運び、おいしいイセエビを思う存分味わってみてはいかがだろうか。(寄稿、随時掲載)

会員限定記事会員サービス詳細