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アレルギー治療など創薬へ…自然免疫に重要なタンパク質、構造など解明 東大・阪大

 研究グループは、TLR7の認識機構を調べるため、核酸塩基のウリジンが複数結合した一本鎖のRNAと低分子の物質(グアノシンなど)がTLR7に結合した複合体の結晶を作成。その結晶を大型放射光施設SPring-8などで強力なX線を使って構造解析するとともに生化学実験も行った。その結果、TLR7は、まずRNAと結合して複合体をつくり、次いで別の部位でグアノシンと結合するとともに、複合体が2つM字の形につながった2量体を形成し、協調的に活性化することがわかった(図を参照)。この成果は米科学誌「イミュニティ」に掲載された。

 これまで研究グループは、TLR7に類似した構造のTLR8、TLR9の結晶構造解析に成功している。清水教授は「今回の実験でTLR7は2種類のリガンド(物質)を同時に感知することで活性を増強することがわかりました。有機化学合成で作りやすい物質なので、免疫を活性化する創薬に結びつくように検討していきたい」と話す。逆に、2量体の形成を阻害し活性を抑えることにより、自己免疫疾患の治療にも役立つ可能性がある、としている。

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