コックピットのデジタル化も進め、計器に目を落とすことなく高度や速度などの情報を把握することができる「ヘッド・アップ・ディスプレイ」を装備している。
7月末に、開発を担当した川崎重工業の岐阜工場(岐阜県)で量産初号機の納入式が行われたばかり。試験飛行を経て今年度末に実戦配備される。平成30年度までに8機が空自に引き渡される予定で、将来的には約30機配備する方針。高い輸送能力を備えるC2の配備により、南西諸島の防衛力強化や海外派遣任務への迅速対応が期待される。
ただ、開発段階では貨物扉の強度不足などで配備はたびたび延期された。開発費用は当初計画を約800億円上回る約2600億円に達している。防衛省はC2輸出により1機当たりの単価を引き下げたい意向だが、開発の遅れに伴う価格上昇で不利な競争条件を強いられている。