カジノ法案推進で自民と維新がタッグ 公明は置き去り? 超党派議連が総会

 維新は憲法改正の推進で自民党と歩調を合わせ、平成28年度第2次補正予算に賛成した。IRでも「自民-維新ライン」ができつつある。政権側にとっては、「責任ある野党」の維新と今後の政権運営で協力関係を築きたいとの思惑がありそうだ。

 公明党議員も議連に名を連ねるが、山口那津男代表と井上義久幹事長のトップ2人が「ギャンブル依存症を誘発する」などと反対姿勢を崩していない。公明党はIR推進法案の共同提出に加わらなかった。

 ただ、風向きは変わりつつある。井上氏は7日の記者会見で「議員立法は審議するのが基本だ」と語り、一度も行われていないIR法案の審議入り自体は容認した。これを受け、公明党の佐藤茂樹政調会長代理は12日の議連総会で「党幹部も法案の扱いは内閣委員会に任せると発言した。内閣委の理事は私だ。念願の法案が前に進むよう頑張る」と強調した。

 しかし、井上氏は「依存症の問題や経済効果、社会的な意義などを議論し、国民的な理解を得る手続きが必要だ」と、なお高いハードルを課す。自民党の谷垣禎一前幹事長は公明党の姿勢に理解を示していた。IR推進派の二階俊博幹事長になり、公明党への働き掛けを強めるとみられるが、「自民-維新ライン」で今国会成立を急げば、公明党との溝はさらに広がりかねない。(千葉倫之)

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