不妊治療のやめ時を考える(4・完)

養子を育てるという選択も 「治療と並行して検討を」「血が繋がってなくても似てくるのかな…」

 ただ、養子縁組や里親にも「年齢の壁」はある。厚生労働省の指針は養子縁組を前提とする里親の年齢について「子供が20歳に達したとき、おおむね65歳以下であることが望ましい」としている。このため里親の年齢を制限する自治体や団体が多いのだ。

 静岡大の白井千晶教授(家族社会学)は、「特別養子縁組前提の場合、とことん不妊治療をしてからだと登録できないケースも少なくない」と指摘する。

 しかし、国は家庭的な環境で育つ子供を増やそうと、養子縁組を推進している。来年1月施行の改正育児・介護休業法では、養子縁組を準備中の親にも育児休業の取得を認める。

子供がいてもいなくても豊かな人生を

 治療終結後の生き方は人それぞれ。不妊患者の支援に取り組むNPO法人「Fine(ファイン)」の松本亜樹子理事長は今年、治療の末に子供を授からなかった16人の女性の体験をまとめた「不妊治療のやめどき」(WAVE出版)を出版した。

 子供のいない生き方を選んで「幸せも不幸せも自分の気持ち次第」と感じている女性もいれば、養子縁組をして「自分の命よりも大切な、守るべき存在ができた」と喜ぶ女性もいる。

 治療中の女性の悩みに寄り添ってきた松本さんはこう話す。

 「治療を終えても豊かな人生があることを知ってほしい」

=おわり