不妊治療のやめ時を考える(4・完)

養子を育てるという選択も 「治療と並行して検討を」「血が繋がってなくても似てくるのかな…」

 26年12月、特別養子縁組で正式に親子になった。名字も一緒だ。

 日々の暮らしを通じ、さやかちゃんはかけがえのない存在になっていた。親子3人で川の字になってじゃれ合う。歌を歌ったり、本が好きだったり。さやかちゃんの中には、自分たち夫婦の子育てで培われたものがあると感じる。

 「血がつながっていなくても、さやかのためなら何でもできる。今、本当に幸せ」

「養親として出会う運命」

 不妊治療を経験して子供を授からなかったとき、養子縁組や里親を選択する人もいる。

 「自分の子供じゃなくて、養子縁組をして娘に巡り会うことが、自分の人生だったと思っています」

 東京都の原田利香さん(45)=仮名=は、7年にわたる不妊治療の後、特別養子縁組で佳奈ちゃん=同=を引き取った。

 32歳から治療を始めたが、なかなか結果が出ない。しかし、治療をやめる決心が付かずに、いったん治療から離れたとき、養子の勉強会に行き始めた。「2人でも楽しいけれど、やっぱり子供を育てたい」。夫婦の思いが一致した。

 39歳のときに、民間団体に登録。40歳のとき、生まれてすぐの佳奈ちゃんを家に迎えた。「自分の子供を産みたかったという気持ちはありますが、佳奈も私の子供。今は毎日が賑やかで楽しい」

 自身の治療を振り返ったとき、「やりきった」という思いがあるからこそ、養子という選択肢も考えられた。ただ、「治療中、頭の片隅に養子という選択肢があるのは悪いことじゃない。『治療するしかない』と思うと、追い詰められてしまうから」と原田さんは言う。