再び、マイクは司会の女性に戻りました。彼女は去る6月30日に外務省と交渉を行った際の報告を始めました。交渉した部署や担当者の名前は話しませんでしたが、その際「日韓合意後も被害者の個人賠償請求権は消滅していない」との明確な回答を得たと説明しました。その上で、「日韓合意で『最終的かつ不可逆的な解決』という安倍政権の意思を覆すにはどうすればいいのか」について、2名の弁護士が講演を行いました。
始めに、川上詩朗弁護士が「日韓合意と『慰安婦』問題解決のための展望」と題し、話をしました。外務省の回答とは関係なく、個人の賠償請求権は消滅していないと主張し、その根拠を丁寧に説明しました。
・この問題が解決したかどうかを決めるのは、国家ではなく個人。なぜならば、慰安婦問題は政治問題ではなく、人権問題だから。
・1965年に韓国と締結した「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)とその実施に伴う「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律」の条文を紹介。協定の第二条には「両締約国及びその国民(法人を含む)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題」とあるが、後者には「財産、権利及び利益に該当するものは(中略)昭和四十年六月二十二日において消滅したものとする」とある。「国民間の請求権」という言葉は後者にはない。よって消滅していない。