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発汗や加齢などで強まる体臭。周囲に不快感を与える「スメルハラスメント(スメハラ)」の認知が進むにつれ、自分のにおいを気に病む「自己臭恐怖症」と診断される患者が増えている。デオドラント(防臭)用品を上手に活用することで、トラブル回避につなげられる。(玉崎栄次)
悪化すれば外出できなくなることも…
ワキガや多汗症などの治療やカウンセリングを専門的に手がける「五味クリニック」(東京都新宿区)。30人ほどの患者が通院するが、その7割は自己臭恐怖症と診断される。精神的な疾患で、他人から「くさい」と指摘されたことなどをきっかけに、「自分が周囲を不快にしている」と悩むようになる。患者の中には、実際に強い体臭がないにもかかわらず、悩んでいる人も目立つという。
自己臭恐怖症が悪化すれば、仕事が手につかなくなったり、外出できなくなったりすることもある。
五味常明院長は「10年前は外来の3割ほどだったが、ここ数年で急増した。スメハラの登場など『臭い』が許容されにくい社会となったため、悩みの種になったのだろう」と説明する。
男女の3割超 「こそクン」経験
自己臭恐怖症までいかなくとも、臭いを気にする人は増えている。
法律相談などを受ける「日本法規情報」(東京都新宿区)が実施した今年7月の調査(男女902人対象)では、スメハラの認知度を尋ねたところ「知っている」が26%、「聞いたことはある」が28%で5割を超えた。