北朝鮮情勢

今年も「偽装マツタケ」入荷…15億円の売り上げは核・ミサイル開発に転用か

北朝鮮産マツタケ
北朝鮮産マツタケ

 北朝鮮産マツタケが、不法に日本に入って流通していることが業界関係者への取材で分かった。日本政府は北朝鮮に対する制裁措置で、平成18年から北朝鮮からの輸入を全面禁止しているが、中国を経由して「中国産」の偽装表示となり、制裁を逃れている格好だ。売り上げが核・ミサイル開発に転用されかねない事態に、関係者から懸念の声が上がっている。

1キロ1万円

 マツタケは北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長の秘密資金を扱う「党39号室」の傘下企業が管理し、核やミサイル開発、金委員長ファミリーのぜいたくな暮らしの維持に使われているとされている。

 関係者によると、「中国産」に化けた北朝鮮産マツタケは市場で1キロあたり平均8千〜1万円ほどで取り引きされている。

 日本には9月下旬に出荷されたといい、毎日4トン、多い日には6、7トンが入っている。多ければ10月中旬までに150トン程度が入ってくるとみられ、売り上げは最大15億円になる計算だ。

「吉林省産」に注意

 北朝鮮産マツタケは中国・吉林省の延吉の問屋を経由して日本に輸出されている。延吉で「中国産」と証明する書類が添付され、「中国産」に偽装。「北朝鮮産は混入させない」という趣旨の誓約書も入っているという。

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