下草の無許可伐採
反対派がヘリパッド移設工事の妨害活動に参加する動機はさまざまだ。
活動世話人の山城博治氏は「森を守ることも活動の理由の1つだ」と強調する。「(北部訓練場のある)この森は私たちの神々がすむ森だ。唯一の自然だ。沖縄県中南部の森は戦争で全部やられて金網だらけになってしまっている。残る森を守らなければならない」という。
森を守るためにヘリパッド工事に反対する-。この理屈には首をかしげざるを得なかった。防衛省の沖縄防衛局関係者が「反対派は訓練場に不法侵入して、自分たちが移動しやすいように勝手に下草を刈っている」と証言したのを聞いていたからだ。森を守るために森を傷つけてもいいのか。山城氏に疑問をぶつけると、紳士的な口調が変わって取材を打ち切られた。
「どうせネット右翼がネタ元でしょ! もういいよ!」
8年前から運動に関わっているという広島県出身の女性に活動に参加している理由を聞くと、「基地をこれ以上作ってほしくないから」と説明した。だが、移設工事は、むしろ基地を減らすために行っている。日米両政府は移設を条件に訓練場約7500ヘクタールのうち約4千ヘクタールを返還することで合意しており、その条件となるのが代替ヘリパッド建設だ。
それでも工事を妨害することに迷いはなさそうだ。女性はN1ゲート前の県道70号で座り込みなどを行って工事車両の進入を妨害していることに関し、「(国と反対派の)対話がないまま進められてしまうんだったら対話の場を作らなければいけない。私たちが対話の場を作れるんだとしたら路上だよね、というふうになって座り込みが始まったというような感じです」と説明した。路上への座り込みが道交法違反に当たることは言うまでもない。