日本弁護士連合会(日弁連)は7日、福井市で人権擁護大会を開き、「2020(平成32)年までに死刑制度の廃止を目指す」とする宣言案を賛成多数で採択した。日弁連が死刑廃止の立場を明確にするのは初めて。制度全般についての社会的議論を呼びかけてきた従来の立場から大きく踏み込む内容で、犯罪被害者を支援する弁護士らに反発が広がっている。
採決は大会に出席した弁護士で行われ、賛成546人、反対96人、棄権144人で採択された。
採決に先立って行われた討論では、死刑廃止に反対する弁護士を中心に20人以上が意見を表明。「宣言は日弁連の傲慢(ごうまん)」「特定の正義感を押しつけるべきではない」と批判が相次いだ。一方で「加害者の人権と被害者の人権を対立させるのではなく、人権擁護を基本に考えて行動するべきだ」と賛成意見もあった。
会場はやじや声援が飛び交う異様な雰囲気に包まれ、予定時間を大幅に超過してようやく採択された。