トラウトサーモン(海産ニジマス)の一大産地を目指す産学官グループが「ふくいサーモン」の養殖生産を拡大するための共同研究を開始。平成30年度まで成長促進や品質向上などの実証試験を行う。産地として31年に「日本一」の水揚げ量(海面養殖生産量)400トンを目指す。4日に福井市中央卸売市場(同市大和田)で開かれた水産物卸の福井中央魚市(福井市)による商品展示商談会の中でバイヤーらに「ふくいサーモン」や加工品とともに紹介された。
研究で差別化も
共同研究は農業・食品産業技術総合研究機構からの受託事業で、県水産試験場、日本海区水産研究所(小浜市)、県立大学、福井中央魚市が参加。稚魚を育成する大野市宝慶寺の養魚場と、養殖を行うおおい町大島沖の大型いけすなどで研究する。LED(発光ダイオード)電照や魚腸エキス(あらエキス)利用による成長促進の試験を行うとともに、餌代などのコスト削減を目指す。また、ナノバブル(微細な泡)や、県産梅のエキスを加えた餌で病気や寄生虫の予防をはかる。「梅エキスで肉質もよくなるなど、差別化できれば」(福井中央魚市担当者)と期待する。今年度の事業費は約6280万円(うち県分580万円)。