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かわいすぎる警察犬「アンズ」誕生の秘話とは?! 小さなトイプードルが大きな困難を超えて

【ローカルプレミアム】かわいすぎる警察犬「アンズ」誕生の秘話とは?! 小さなトイプードルが大きな困難を超えて
【ローカルプレミアム】かわいすぎる警察犬「アンズ」誕生の秘話とは?! 小さなトイプードルが大きな困難を超えて
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 茨城県内初の小型警察犬「アンズ」(雌、3歳)が、警察犬になるまでの軌跡が子供向けの本になった。飼い主で指導士の鈴木博房さん(66)が執筆し、タイトルは「警察犬になったアンズ 命を救われたトイプードルの物語」(岩崎書店)。かわいすぎる警察犬」を育てた鈴木さんが本に込めたメッセージとは-。著者にインタビューし、警察犬アンズ誕生の秘密に迫る。

 (水戸支局 丸山将、写真も)

 「小さな体に秘められたエネルギーの大きさには、驚かされます」

 茨城県東海村須和間の自宅で、鈴木さんは誇らしげにそう語り、腕の中では、アンズが幸せそうに甘えていた。アンズをなでながら「こんな小さな犬が困難なことを成し遂げた。何事も前向きに頑張ることが大切なんだと伝えたいです」とも話した。

 アンズが嘱託警察犬となったのは今年1月。その後、10社を超える出版社から書籍化の申し出があった。ほとんどは「サクセスストーリーを書いてほしい」という依頼だったが、岩崎書店(東京都文京区)の「子供向けの本にしたい」という考えに共感した。

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 鈴木さんとアンズの出会いは、平成25年3月に遡(さかのぼ)る。県動物指導センター(笠間市日沢)に知人を訪ねたとき、たまたまとある場面に遭遇した。当時の飼い主が「しつけ本の通りに動かない。バカな犬だ」と言って、殺処分を依頼していたのだ。

 クレート(かご)の中で震えるトイプードル。鈴木さんは引き取ることを決意した。ただ、このときは「しっかりしつけをして、人に譲ろう」と思っていた。

 著書には、引き取ってから、警察犬を目指すことになるまでの経緯や、小型犬のハンディを乗り越え、懸命に訓練を行い、才能を開花させていく様子がつづられている。人が手を振り上げると、おびえる場面も描かれており、鈴木さんは、以前の飼い主から虐待を受けていたと推察する。

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