原発事故時「30キロ圏内行かず」65% バス・トラック運転手調査 新潟

 原発で事故が起きた際に住民を避難させたり物資を運ぶため、業務命令で原発から半径30キロ圏内に入るように求められても、断るバスやトラックの運転手が65・6%にのぼることが県のアンケートで分かった。特別手当や万一に備えた補償制度を求める声もあり、柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)で重大な事故が発生した際に運転手を確保するには安全対策だけではなく、十分な補償制度も必要なことが改めて突きつけられる格好となった。

 県が4日発表した。アンケートは8月24日〜9月14日に県内の主なバス会社とトラック会社の運転手を対象に実施、1982人のうち67・4%に当たる1335人が回答した。

 設問では、東京電力福島第1原発事故のような事態が起き、勤務する会社が自治体から協力依頼を受けたときに、半径30キロ圏内で屋内待避中の住民に物資を運んだり、住民を圏外に避難させるため区域内に行けるかを尋ねた。

 回答者のうち876人が「行かない」と答え、「行く」とした人は33・9%の452人にとどまった。断る人の割合は61・5%だったバスの運転者よりも、トラックの運転者の方が69・5%と多かった。

 県防災局によると、危険手当や補償の内容次第といった条件付きで「行く」と答えた運転手が14人いた。「行かない」と答えた人のうち5人が、補償などの条件次第では行くことに転じる可能性もあるとした。このほか安全性や防護装備、家族の状況などを懸念する意見もあったという。

 結果について、泉田裕彦知事は4日の記者会見で「危険手当などを制度化しておかないと、バタバタした中で『行ってくれ』といっても厳しい」と指摘。特別手当(危険手当)や補償制度の具体化、防護資機材の十分な配備が必要だと強調し、県として国に対策を求めていく考えを示した。

 原子力安全対策課の担当者は「今回の結果は、実効性のある避難計画にするために、民間事業者の協力について検討する際の参考としたい」としている。

会員限定記事会員サービス詳細