ハンガリー、難民分担で国民投票 反対派が優勢、EU政策に影響も

 【ベルリン=宮下日出男】ハンガリーで2日、中東やアフリカからの難民受け入れを欧州連合(EU)加盟国で分担する政策の是非を問う国民投票が実施された。分担策への反対が多数を占める見通し。投票結果はEUの移民政策に影響を与えるほか、英国が離脱を決めたEUの結束を一段と揺さぶる可能性がある。

 EU加盟国で移民受け入れ分担策をめぐる国民投票が行われるのは初めて。設問は難民をめぐり、「EUがハンガリーに対し、自国の議会の承認なく、非ハンガリー市民の義務的な受け入れを指示できることを望むか」との内容。投票結果の大勢は2日夜(日本時間3日未明)にも判明する見通しだ。

 ハンガリーは昨年、バルカン半島経由でドイツなどを目指す難民・移民のルートとなったが、流入阻止のため南隣セルビアなどとの国境をフェンスを築くなどして封鎖。EUが昨年9月に暫定的な難民受け入れ分担策を決めた際も反対し、スロバキアとともに決定無効を求めてEU司法裁判所に提訴している。

 オルバン首相はドイツのメルケル首相が主導した寛容な難民受け入れ策に反対する加盟国指導者の急先鋒で、分担策は移民の流入を招くと批判。1日付の地元紙への寄稿では「EUは正気に戻らねば、自己破滅する」と訴え、分担策への懐疑的見方を改めて示した

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