皇室ウイークリー

(454)両陛下、被災した大槌、山田の両町をご訪問 佳子さまは手話でご公務

【皇室ウイークリー】(454)両陛下、被災した大槌、山田の両町をご訪問 佳子さまは手話でご公務
【皇室ウイークリー】(454)両陛下、被災した大槌、山田の両町をご訪問 佳子さまは手話でご公務
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 天皇、皇后両陛下は9月29日、東日本大震災後に再建された岩手県大槌町の「新おおつち漁協地方卸売市場」を訪れ、漁船からサバが水揚げされる様子などを視察された。同町役場では、一生を淡水域で生息する珍種の「イトヨ」をご覧に。震災で5千匹から数百匹に激減したとの説明を聞き、陛下は「随分減ったのですね」と憂慮された。

 続いて山田町に足を運び、子供向けの図書館や読書スペースなどを備え、今年7月に開業した「町ふれあいセンター」を見学された。被災した中高生らが企画段階から関わっており、説明役の女子中学生に、皇后さまは「良いものができましたね」とねぎらいの言葉をかけられた。

 両陛下が大槌町を訪問されたのは平成9年以来19年ぶりで、震災後は初めて。23年5月に岩手県内の別の被災地を慰問した際、ヘリで上空から大槌町の被災状況を見て心を痛めており、直接訪れることを強く望まれていた。

 大槌町役場前では、仮設住宅で暮らす高齢の被災者らの出迎えを受けられた。同級生4人を失ったという女性を、皇后さまは「耐えていらしたのね」といたわられた。

 30日には、翌日の国体総合開会式の会場に近い花巻市にご移動。宿泊先のホテルでは、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「早池峰(はやちね)神楽」を鑑賞された。農業の始まりを表現した「天照五穀(あまてらすごこく)」の演目に見入り、終演後には保存会の関係者に、陛下が「大事に後世に伝えてください」と声をかけられた。

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