阿比留瑠比の極言御免

「憲法改正草案」撤回要求は何の権利あってか 表現の自由認めない、憲法の精神に反する民進党・野田佳彦幹事長

 安倍晋三首相の所信表明演説に対する27日の代表質問の質疑応答を見ていて、実に奇異な光景だなあという感想を抱いた。自民党が野党時代の平成24年にまとめた憲法改正草案をめぐって、民進党の野田佳彦幹事長と首相との間で、次のようなやりとりが交わされていたからである。

 野田氏「国民の権利を軽んじ、国中心に組み立てを変える自民党草案の実現をめざして議論に臨むのか。本気で議論する気があるなら、まずは自民党総裁として草案を撤回してほしい」

 安倍首相「大切なことは、各党がそれぞれの考え方を示すことだ。自民党は草案という形でこれを示しており、それを撤回しないと議論ができないという主張は理解に苦しむ」

 民進党が、保守色が濃いといわれる自民党の草案を批判したり、問題点を指摘したりするのは別にいい。だが、他党の案に「撤回」を迫るのというのは何の権利があってのことか。

 自民党内で議論を経てつくられた草案を、一方的になかったことにしろというのはどういうことか。自民党議員の思想・信条、表現の自由を認めないと言わんばかりであり、憲法の精神に反するのではないか。安倍首相ならずとも、理解に苦しむところである。

 増して、自民党憲法改正草案に関しては、安倍首相自身がこれまでテレビ出演や記者会見などで「草案通りに改正するのは困難だ」「わが党の案がそのまま通るとは考えていない」と答えている。

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