気になる「風評」
宮城県沖のヒラメ漁の好調を悔しい思いで見てきた福島県だが、気になるのは「風評」だ。消費者庁が今年2月、約5千人を対象に実施した食品の放射性物質についての意識調査では、購入をためらう産地として「福島県」と回答した人が15・7%に上った。ただ、試験操業で水揚げされた水産物は、同漁協の検査室で魚種ごとにスクリーニング検査(自主検査)を行い、安全性を確認した上で仲買業者へ引き渡し、県内外へ出荷する。同漁協原釜機船底曳船船頭会会長の佐藤幸男さん(56)は「安全性は十分確認できている。あとは食べてもらうだけ。常磐ものの復活で、風評も払拭したい」と意欲をみせた。
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【用語解説】試験操業
国の出荷制限のない魚介類のうち、安全性が確認された魚種に限定して行われている小規模な操業と販売。出荷先での評価を調査するとともに、安全性のアピールが目的。