人民元採用で注目される「SDR」って? 「自由な取り引き」不可欠

 国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)は、加盟国に配分される国際通貨のようなものだ。各国は通貨危機などで外貨不足に陥った場合、SDRと引き換えに外貨を調達できる。SDRと交換できる通貨は自由に取引できることが欠かせない。

 IMFによると、今年3月時点で2041億SDR(約2850億ドル相当)が発行され、IMFへの出資比率に応じて加盟国に配分されている。

 国際資本市場が発達していなかった1969年、IMFが金と米ドルを補完する準備資産として導入した。その後、各国の外貨準備が増えたことで、一時SDRへの依存度は低下。だが、近年は通貨危機や債務危機の際の役割が改めて注目されている。

 これまでSDRはドル、ユーロ、円、ポンドと交換できたが、今回の構成通貨見直しで人民元が新たに加わることになった。加盟国に配分されているSDRを現実の通貨に換算する際に使われる比率は、市場でどの程度流通しているかなどで決まり、ドルが41・73%、ユーロが30・93%、人民元が10・92%、円が8・33%、ポンドが8・09%となる見込みだ。

 SDRと交換できる通貨の条件は「自由に取引できる通貨」であることと、「貿易の量」。人民元は中国人民銀行によって変動幅が制限されており、採用に反対が根強かった。ただ、IMFは中国が人民元取引の自由化を進めてきたことなどから採用を決めた。

 麻生太郎財務相は30日の記者会見で、人民元が10月からSDRに採用されることについて、「通貨の管理をオープンにしておいてもらわないといけない。通貨の価格管理などをやることになると、SDRを維持する資格に欠ける」と中国政府に注文を付けた。

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