熊野古道とスペイン巡礼路、2つの道つなぐ「和の守」完成 和歌山・熊野本宮大社

 ■漫画家・荒木さんデザイン

 「熊野古道」とスペイン「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の2つの道の世界遺産をイメージして、田辺市の熊野本宮大社の九鬼家隆宮司が漫画家、荒木飛呂彦さん(56)にデザインを依頼し製作した新しいお守り「和の守(おまもり)」が完成し、同大社で授与を始めた。

 古道と巡礼路は珍しい道の世界遺産として「姉妹道」提携し、田辺市とサンティアゴ・デ・コンポステーラ市が共通巡礼手帳を作るなど連携しており、九鬼宮司は「2つの道をつなぐことで世界の人々が和合するように」との願いを込め、親交のあった荒木さんにデザイン画を依頼した。

 「ジョジョの奇妙な冒険」などの作品で知られる荒木さんは、約15年前に初めて熊野古道を歩き、以降何度か訪れて九鬼宮司とも親しくなったという。荒木さんは「意を決して何かに立ち向かうとき、志半ばで道に迷ったとき、勇気がでるようにと願ってデザインした」と話した。

 「和の守」は、片面に熊野古道とそこから飛び立とうとする八咫烏(やたがらす)が、もう片面にはサンティアゴの巡礼路と象徴であるホタテの貝殻などが描かれており、縦9センチ、横6センチの大きさ。色は緑を基調に赤や紫で彩られ、レピア織と呼ばれる西陣織に似た製法で作られている。

 同大社で1個2千円で授与しており、参拝客らが求めていた。

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