使用済みタイヤを使った珍しい立体作品「THE LION(ザ・ライオン)」が29日〜10月2日、大阪市北区の中之島公園の芝生広場に登場する。体の色は廃タイヤの黒だが、たてがみや筋肉の動き、つめなどを精巧に表現し、今にも動きだしそうなリアルさだ。22〜25日に行われた前半の展示で人気を集めており、今回も期待できそうだ。
水辺のまち・大阪の魅力を引き出す「水都大阪フェス2016」のイベントの一つ。タイヤなどを製造している東洋ゴム工業(本社・大阪市西区)が、車好き以外の人にもタイヤに興味を持ってもらおうと企画した。タイヤを使ったアートで世界的な注目を集めている韓国人アーティスト、ジ・ヨンホさんに依頼。同社の廃タイヤ約80本を使い、約1カ月で完成させた。
ライオンの全長は約3・5メートル、高さ約1・4メートルで、重さ約300キロ。幅や大きさの違うタイヤを使い分け、何重にもして質感を出したほか、タイヤの溝も生かして隆々とした筋肉にした。圧巻なのはたてがみで、風になびくように生き生きとした動きが表現されている。
前回の展示で、横浜市から友人と訪れた会社員の石黒基之さん(27)は「百獣の王の風格を見事に表現していますね」と興奮していた。
展示時間は午前10時〜午後10時(最終日は午後9時まで)。雨天時はカバーで覆われるため見られない。