加納宏幸が見る米大統領選

トランプ氏が「ケニア人オバマ」説を撤回 「出生による米国市民」の重み 認められる二重国籍を解消した政治家も

 米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ氏(70)は、米国生まれでなければ米大統領にはなれないというバーサー(Birther)運動の立場からバラク・オバマ米大統領(55)の出自を疑ってきた。オバマ氏がハワイ州の出生証明書を公表しても父の出身地であるケニアで生まれたという「陰謀論」が消えないのは、大統領により高い国家への忠誠心が求められることの表れだ。

「イスラム教徒の大統領」

 「オバマ大統領は米国で生まれた。以上だ」。トランプ氏は16日、ワシントンでの演説でこう述べ、不機嫌そうな表情でオバマ氏が外国生まれであるという持論を撤回した。

 12年大統領選を目指していたトランプ氏は2011年3月、FOXニュースのインタビューで「米大統領になるにはこの国で生まれる必要があるが、オバマ氏が米国生まれかどうかに疑いがある」と発言した。出生証明書に「イスラム教徒」と書いてあるから公開できないのではないかとも指摘した。

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