安倍晋三首相は27日の衆院本会議で、民進党の野田佳彦幹事長による代表質問で自民党の憲法改正草案の撤回を求められ、「各党がそれぞれの考え方を示すことが大切だ。自民党草案を撤回しなければ議論できないという主張は理解に苦しむ」と反論し、民進党こそ憲法に関する考え方をまとめるよう求めた。
野田氏は質問で「民進党は現行憲法に足りないところがあれば、憲法を改正しようという立場だ」と述べ、憲法改正を忌避しない姿勢を強調した。
首相はこれを受け、憲法改正について「最終的には国民投票で国民が決める。国会の憲法審査会という静かな環境で各党が真剣に議論し、国民的な議論につなげていくことが必要だ」と指摘。
そのうえで「特定の党の意見への批判を繰り返し、取り下げを求めるのではなく、自らの考えをしっかりと提案し、議論を戦わせることで初めて建設的な議論が可能になる」と述べ、具体的な改憲案を示さない民進党を皮肉った。