ニューヨーク・マンハッタン南西部のチェルシー地区で、圧力鍋を使った爆弾が夜間に爆発し、近くにいた多数の人が負傷した。付近で同種の爆弾が発見された。
隣接するニュージャージー州でも同じ日、マラソン会場付近でパイプ爆弾が爆発し、大会が中止になった。鉄道駅そばでもパイプ爆弾が見つかった。
ゴミ箱に仕掛けられ、爆破する手口だ。死者が出なかったとはいえ大惨事となる可能性もあった。住民の恐怖をあおる卑劣なテロを許すことはできない。
捜査当局はアフガニスタン出身の米国籍の男を逮捕した。過激組織との関連など、背景や動機を徹底的に調べてもらいたい。
2001年の米中枢同時テロ以降、ニューヨークでは厳しい監視体制などにより、テロは押さえこまれていた。
この時期は、国連総会出席のため世界各国の首脳が集結しつつあり、国連本部周辺では要所で厳重な警備が敷かれていた。それでも爆破は実行された。
テロを防ぐのに「絶対」はないと肝に銘じ、地道に対策を進めるしかない。
想起されるのは、同様に圧力鍋爆弾が使用され、3人が死亡し、200人以上が負傷した13年のボストン・マラソンに対するテロである。
翌年、この伝統の大会の開催回避を求める声が上がることはなかった。チェルシー地区でも、安全を確保した上で、一日も早くにぎやかな夜を取り戻してほしい。