浪速風

爽やかな「お口の恋人」が

ロッテグループの創業者の重光武雄(韓国名・辛格浩(シン・ギョクホ))氏は1970年代、当時の朴正煕大統領からの「ソウルに国際的なホテルを」との要請でロッテホテルを建設した。バラックが目に付く街を変えようと日本風の百貨店を開業した。祖国の発展に役立ちたいという思いだった。

▶チューインガムで成功したが、韓国では多彩な事業を展開する有数の財閥である。経営権をめぐる骨肉の争いに続いて、今度は巨額の裏金疑惑で揺れている。ソウル中央地検が、武雄氏や次男でグループ会長の昭夫(同・辛東彬(ドンビン))氏を取り調べた。グループ副会長は聴取を前に自殺している。

▶韓国経済を支える財閥は、同族経営の不透明な体質から脱皮できない。日本に根を持つロッテも例外ではなかった。現政権の思惑も指摘され、捜査の行方はわからないが、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」のヒロインに由来する社名や「お口の恋人」の爽やかなイメージに傷がついたのは確かだ。