坊主バーに行ってみた

カクテルの名は「愛欲地獄」「極楽浄土」…僧侶が語り始めた「人生」とは?

 平成12年にオープンし、当初は、団塊世代の男性の利用が多かったというが、メディアなどに取り上げられたことで、徐々に20~30代の若者が増えていった。女性の利用が多いという。スタッフに声をかければ、その場で悩み相談に応じてもらえる。藤岡店長は「転職したいというお話から、不倫、人間関係までいろいろな相談が寄せられます」と話す。

 お坊さんの人生相談はどんな感じなのだろうか。試しに、「仕事が多くて多くてつらいです」と藤岡さんに問い掛けてみたところ、「仕事の多さは役目があるということ。それをどう受け止めるのか。また、自分の欲があるから仕事が多くなっている場合もありますよ」とのこと。自分の欲とは、人の目を気にして、仕事を受け入れている自分がいないのか、ということもあるという。さらに「縁があって仕事をしている。乗り越えるのか、何を学ぶのかは本人次第。ただ、我慢しすぎもまた、いけません」と藤岡さん。

それは突然、お店の中で…

 坊主バーのメーンともいえるのが、1日2回行われる、説法タイム。僧侶がお経を上げた後、説法をしてくれる。

 この日は、開店から1時間ほどたった、午後8時過ぎ。突如、僧侶が仏壇の前でお経を唱え始めた。「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…」。店内にお経が響き渡る。驚いたことに、カウンターに座っていた男性が、一緒になってお経を唱え始めた。かと思うと、テーブル席の男性らは、お経が流れているのに楽しげに話している。

 「この坊主バーは夜のお寺。ちょっとお話をさせていただこうと思います…」

 10分ほどしてお経が終わり、僧侶の説法が始まると、客はみんなまじめに話を聞き始めた。お経はBGMのような感覚で聞き流せるけれど、人の話はきちんと聞く、ということなのだろうか。

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