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お酒を飲みながら、お坊さんに人生相談できる。現役の僧侶が経営する、「坊主バー」が人気だ。いったいどんな人たちが店に足を運んでいるのか。そして、お坊さんたちは、どんな思いで、接客しているのだろうか。東京・四谷の坊主バーに行ってみた。(油原聡子)
大きな仏壇、壁には曼荼羅…
地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅で降りて徒歩5分。かつて花街として隆盛した荒木町の一角に、坊主バーがある。階段を上がり、木製のドアを開けると、そこは線香の香りが漂う不思議な空間だった。
壁には曼荼羅が飾られ、奥には大きな仏壇。お線香の香りがする。店舗は約30平方メートルほど、カウンターとテーブル席で最大25席だという。
店長の藤岡善信さん(39)は「お寺に若い人が来なくなるなか、仏教を伝える場として営業しています」と話す。藤岡さん自身は浄土真宗本願寺派の僧侶で、戒律でお酒は禁じられていないという。スタッフは全員が僧侶。さまざまな宗派の人たちが働き、作務衣(さむえ)姿でお酒を作ってくれる様子は、なんとも不思議だ。
「お寺らしさ」は随所に現れている。まずは、飲み物のメニュー。「愛欲地獄」「無間地獄」と名付けられたカクテルなどが掲載されている。一番人気の「極楽浄土」を頼んでみると、赤、黄、緑、青が層になっていて、見た目は鮮やか。ほど良い甘さで飲みやすい。味というより、見た目のカラフルさが極楽浄土を表現しているのだろうか。極楽とはこんなイメージなのだろうか…と考える。フードメニューは白菜の浅漬けやお麩のしぐれ煮など。すべて、肉や魚を使っていない精進料理だという。おみくじや、占いもある。