政府、ロシア農業支援へ官民支援組織を設置 「植物工場」など先進技術導入促進も 狙いは北方領土交渉の進展

 政府がロシア向けに検討している経済協力案のうち農林水産分野の概要が18日、分かった。極東地域の農地開発を進める官民の支援組織(プラットフォーム)を設置し、日本の技術とノウハウで農産物の増産や品質の向上を図る。植物工場など先進的な技術の導入促進や穀物ターミナルの建設案もあり、現地の需要が大きい農業分野を後押しして北方領土交渉の進展を狙う。

 支援組織には日露政府や民間の農業関係者が参加する。農地開発に向け土壌や農業用水の確保などを調査するほか、技術指導や農業機械の導入による作業効率の改善も図る。

 極東はロシア有数の穀倉地帯を抱えるが、旧ソ連時代にあった収穫期に工場労働者らを動員する農業支援システムが市場経済化以降なくなり、人手不足が深刻になった。このため、少子高齢化による農業人口の減少をカバーしている日本の省人化・自動化技術への期待は強く、支援組織を通じて導入が促進されそうだ。

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