原発最前線

「破綻」と酷評された凍土壁に次の手はあるのか? 東京五輪に間に合わない…福島第1原発の汚染水対策

 「汚染水の問題だけを騒いでいるけれども、汚染水というのはリスクのレベルから見たら、極めて小さい問題。そのことだけで時間をとられているような議論をやっていては駄目だ。最近は廃棄物の施設についていろいろ問題提起が出ている。そういうことがきちんとできていないというところはやはり正していくべきだ」

 委員長は論点をずらそうとし、汚染水問題については、十分な答えを得られなかった。確かに全体のリスクを下げるのは必要であるが、汚染水対策は周辺住民だけでなく、国民全体や東京五輪に向けた海外への不安を募らせてきた。

 五輪招致の際に、安倍晋三首相が「汚染水による影響は、第1原発の港湾内の0・3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」とアピールしたことも記憶に新しい。

 規制委には汚染水対策検討ワーキンググループがあった。ほぼ毎月のように開かれていたが、平成26年4月以降、廃止になった。

凍土壁に頼らない策はあるのか?

 凍土壁が「破綻」すれば、汚染水の浄化に必要なタンクの空き容量の確保など、処理計画全体への影響が危惧されている。東電によると、8月18日現在、敷地内のタンク891基に貯蔵されている浄化中の汚染水は89万立方メートルで、総容量(約100万立方メートル)の9割に迫る。

 東電はすでに、今年度中に解体するはずだった漏洩(ろうえい)リスクのある「フランジ型」と呼ばれる簡易タンクの使用継続を決めるなど、計画の変更を余儀なくされている。

 1〜4号機の建屋内には現在、高濃度の汚染水約7万トンが滞留しており、外部への漏洩や、津波などで海洋へ流出するリスクも残る。政府と東電は廃炉工程表で、建屋内滞留水について平成32年中の処理完了を目指しているが、タンク容量が十分に確保できなければ目標達成は難しい。

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