鑑賞眼

9・11から15年の秋、日本で初演の「ディスグレイスト 恥辱」 人種差別と異教徒への偏見、怒りが充満

左から小日向文世、小島聖、安田顕、秋山菜津子(矢野智美撮影)
左から小日向文世、小島聖、安田顕、秋山菜津子(矢野智美撮影)

9・11米中枢同時テロから15年目を迎える秋、この作品が日本初演されたことは意義深い。ニューヨークの高級アパートの1室で展開する、わずか5人の会話劇に、世界が直面する人種差別と異教徒への偏見、怒りが充満している。小田島恒志・則子訳。

パキスタン系米国人作家、アヤド・アフタルの2013年ピュリツァー賞戯曲部門受賞作。パキスタン系米国人弁護士、アミール(小日向文世)と白人の美しい画家、エミリー(秋山菜津子)夫妻が暮らす、洗練されたアパートは成功者の象徴だ。しかし、アミールは甥(おい)(平埜(ひらの)生成)からイスラム教指導者への支援を求められ、審問に立ち会ったことからテロリストの弁護団と見なされる。3カ月後、ユダヤ人キュレーター(安田顕)と黒人のアミールの同僚弁護士(小島聖)夫妻が訪問。セレブ同士、サラダを囲み、和やかに始まったホームパーティーが一転、それぞれのアイデンティティーをかけた激論の場へ一変する。

会員限定記事会員サービス詳細