永井豪71歳に聞く

「キューティーハニー」変身シーンのキモは本能的願望だったんです… 漫画界のタブー破り続け来年50年

【永井豪71歳に聞く】「キューティーハニー」変身シーンのキモは本能的願望だったんです… 漫画界のタブー破り続け来年50年
【永井豪71歳に聞く】「キューティーハニー」変身シーンのキモは本能的願望だったんです… 漫画界のタブー破り続け来年50年
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 来年で画業50周年を迎える漫画家の永井豪(71)。「デビルマン」「マジンガーZ」「グレートマジンガー」「UFOロボグレンダイザー」といったヒーローものだけでなく、「ハレンチ学園」や「キューティーハニー」など、ちょっぴりエッチな漫画も多く、代表作を挙げればきりがないほどの人気漫画家だ。デビルマンに込めた反骨精神や、キューティーハニーの変身シーンの裏にある秘密など、永井本人の口から次々と明らかになった。(兼松康)

 僕の中では、表面的な正義をちょっと疑うところがあって。物語の中で、正義の味方は白い頭巾をかぶっているとか、そういうのはつまらないという気持ちもありました。見た目が悪そうでも、心が正義の人がいても面白いじゃないか。そういうところから始まったんです。

 〈永井豪の名を世に広く知らしめた作品ともいえる「デビルマン」の根底には、永井のこんな反骨精神が流れていた〉

 「あばしり一家」などもそうですが、世間の常識では悪人でも、熱い正義の心を持っている。そういった気持ちの究極体が、悪魔の姿をしたヒーローというところに行き着きました。世の中、これが正しいという常識をまったく正しいとして受け入れていいのか。ひっくり返して見れば、違う要素が見えてくる。「ハレンチ学園」だってそうです。学校の先生はみんないい人か? 偉い人なのか? 「師の影踏まず」でいいのか。実はとんでもない奴もいるぜ、悪いことしている奴も山ほどいるじゃん、と。そういう疑いの目や反発心が常に根底にあるんです。

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