5回目の核実験を強行した北朝鮮では、さらに6回目の準備ができているという。北朝鮮の暴挙はとどまるところを知らない。日米韓など各国は国連を舞台に制裁強化を検討しているが、まるで耳を貸そうとしない。
北朝鮮の核とミサイルは今や、国際社会共通の脅威である。
一方で、日本政府にとって最優先課題であるはずの拉致問題は何ら進展をみせていない。被害者家族には、北朝鮮の核とミサイルへの関心が高まるなかで、拉致問題が置き去りにされることへの強い警戒感がある。
国際社会が北朝鮮への批判を高めている今こそ、日本は拉致問題の非道、残虐性を改めて世界にアピールすべきだ。どれだけ核実験を重ねても、拉致問題の解決なしに未来は描けないと、国際社会とともに突きつけてほしい。
北朝鮮は今年2月、拉致被害者などを再調査する特別調査委員会を解体すると一方的に宣言した。これ以降の進展はない。
拉致は、北朝鮮の国家機関による誘拐犯罪である。一旦はこれを認めて謝罪しておきながら、不誠実な対応を繰り返している。
何の罪もないわが子や母、家族を北朝鮮にさらわれた被害者家族は、あまりに長く、深い悲しみと怒りの渦中にある。忍耐の限度はとうに超えている。
安倍晋三首相は21日、国連の一般討論演説で、北朝鮮の核実験を踏まえた対応について各国の連携を呼びかける。この機会をとらえて拉致問題解決についての連帯も訴えてほしい。