東松山16歳殺害 「暴力性の背景にメス」 埼玉県警と市、再発防止に全力

 東松山市の都幾(とき)川河川敷で吉見町の井上翼さん(16)の遺体が見つかり、少年5人が殺人容疑で逮捕された事件は、15日までに5人全員が傷害致死の非行内容でさいたま家裁に送致された。捜査幹部は「少年たちがなぜ悪質性、暴力性を帯びたのかまでメスを入れる」と捜査の継続を表明、同市教育委員会は独自に検証委員会を立ち上げるなど、県警と市は同種の事件が繰り返されないよう全力を挙げる。

 県警は少年の一部がカラーギャングと呼ばれる地元の不良グループ「パズル」のメンバーだったことを重要視。今後は学校などと協力しながらグループの解散などを目指す。捜査関係者は「背景に暴力団が絡んでいるならば、そこまでしっかりと捜査を進めていきたい」と話す。

 一方、東松山市教委は、県教委が川越市教委を含めて立ち上げた検証委とは別に、独自の検証委を13日に設置した。

 臨床心理士を含む16人で構成し、少年らの生い立ちなどの事実確認を進めて再発防止策を練り、中間報告を10月、最終報告を年度内に出す予定。報告については関係機関と共有し、連携して事件の根絶を図るとしている。

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