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空き家を自治体が借りてリフォームし、移住を考えている人に貸し出す「お試し住宅」。この制度を活用してIターンやUターンの移住者に来てもらおうと取り組む自治体が増えている。専門の「移住支援員」を置く自治体もあり、移住者獲得に懸命で、過疎化・空き家対策としても注目される。
「舟屋」をリフォーム
漁に使う舟を1階に収められる「舟屋」が並ぶ京都府伊根町の伝統的建造物群保存地区の一画。ここに1軒の「お試し住宅」がある。町が空き家となった「舟屋」を町外に住む住民から借り、移住を考えている人に期間限定で貸し出している。
町の職員に案内してもらって中に入った。玄関を入るとすぐに8畳の和室があり、そこは元のままだが、奥のダイニングキッチンは新築の家のよう。同じ8畳の和室を改装したという。
風呂場とトイレもリフォーム。築何年かは記録がないというが、快適に暮らしてもらえるようにした。
2階は3室あり、そのうち1部屋からは海が眺められ、向こう岸の舟屋も見える。「わたしが住みたいくらいですよ」と職員が言うのもうなずける。
町の希望と入居者の現実
伊根町の「お試し住宅」の制度は今年度から始まった。年度を5〜7月、9〜11月、1〜3月の3期に区切り、3カ月を上限として入居を募集。賃貸借料は1カ月で2万5千円とした。