北朝鮮核実験

拉致問題、進展しないのは「制裁に問題」 アントニオ猪木氏に北朝鮮高官 会見詳報

【北朝鮮核実験】拉致問題、進展しないのは「制裁に問題」 アントニオ猪木氏に北朝鮮高官 会見詳報
【北朝鮮核実験】拉致問題、進展しないのは「制裁に問題」 アントニオ猪木氏に北朝鮮高官 会見詳報
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北朝鮮を訪問していたアントニオ猪木参院議員は13日、平壌で会談した李洙●(リ・スヨン)朝鮮労働党副委員長が、拉致問題の進展に関し「今、制裁をしている日本の状況に問題があるのではないか」と述べたと明らかにした。帰国後、羽田空港で記者会見して説明した。会見の主なやりとりは次の通り。

「元気ですかーっ!(しーん)、あんまり元気ないな」

司会「猪木氏は、スポーツ平和交流を目的とした議員外交として9月8日から訪朝しました。多くの要人と会談の機会があり、内容の濃いものだった。要人は、最高人民会議常任委員長、朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員の金永南(キム・ヨンナム)氏、ナンバー2。朝鮮労働党副委員長で国際部門を統括する李洙●(リ・スヨン)氏と会談した」

猪木氏「8日に平壌入りした。4月にマラソンのスターターをする予定だったが、国会(開会)中で(参院)議長から自粛要請もあり、受け入れた。今回は国会中じゃなかった。そのおわびも含めて、恒例となったこの時期に。2年は空いたが、人の流れを絶やさないというのが基本。行く前に誰と会うのか質問があったが、誰と会ったのかは説明があった通り。

9日に大レセプションがあり、金永南委員長が指揮を執るのだが、壇上にいろんな要人が並んで乾杯。その翌日に李洙●氏と会談し、労働党の本部で約1時間半ぐらい会談した。

『この時期によくいらっしゃった』というあいさつの後に、今回の核実験について、目的は何なのか、単刀直入に聞いた。『日本に向けてることではなくて、米国に対して、われわれはわれわれの国を潰そうとしている国に対してということで今、こういう実験を繰り返しています』という説明があった。

基本的にはスポーツ交流を通じて、平和がテーマ。できる限り、いろんなスポーツの交流をできればと思う。もう1つはどんな場合でもドアを閉めてはいけない、これは31回目の訪朝、最初は平成6(1994)年。あれから同じことを申し上げている。政府もいっているようにスポーツ交流は別だ。あるいは文化交流も含めて、そのへんは政府の見解も聞いている。意義深い訪朝だったと思う。

米国の大統領選が間近に迫ってきているが、米国の基本の姿勢は変わらないのではないかという話もあった。外交には表と裏がある。われわれが聞くのは表の話。裏でいろいろ動いているのはわかっている。裏の裏まで知る必要はないが、世界情勢で動いている状況だ。

イラクの人質の解放のときに政府、外務省が何をしたのか、そういうことも自分の体が覚えている。われわれがバッジをつけている以上は、命をかけて、人ができないことをやらしてもらえたら」

--10日の李氏との会談で核実験に対する抗議の意思を示したか。拉致問題の意見交換、内容は

猪木氏「核の方は、日本は(核の)アレルギーを持っている国、この時期にこういう実験が行われたことについて、抗議というより、なぜこのタイミングなのか、聞いた。『日本に向けているわけではありません』ということだった。今回の実験については、通常の今までの流れの中の実験という説明だった。

拉致については、拉致のことには触れないでほしい。これは、拉致被害者家族会から、私が議員になったときに申し入れがあった。理由は、話し合いをしないで、どうして拉致の問題が解決できるんですかと。制裁が最優先ということだった。拉致には触れないようにした。

(同行した)同僚の議員が深く食い込んだ話をしていた。今後、進展する方法をどうすればいいのか。それには『今の状況が制裁、日本側に問題があるんじゃないか』。そんな感じの話だった」

--金氏とは、具体的に核実験の話や弾道ミサイルについて、どんな話をしたのか

猪木氏「いつもレセプションの席で、みんな大使関係と軍だ。『難しい時期によくおいでくださいました』という丁寧なあいさつがあり、後は、お互い健康でありますように、そんな話。今日、平壌から北京に向かうときに、金氏と同じ飛行機で、写真を撮らせてもらった。たぶん、キューバにいく」

--核実験強行時に激しい揺れとか、感じたことはあったか。国内、国民の様子は

猪木氏「町の中はいたって平穏というか。ニュースが流れたのがけっこう時間がたってからだったと思う。私はホテルで(テレビには)外国の放送も入っているので、それを見て知った。今回はマグニチュード5と報道されていた。同行していた、評論家がかなり大きな実験じゃないかという話をしていた」

--高官が日本に関して言及していたことは

猪木氏「核に関しては、『日本に向けていることではない。米国を標的にしている。心配することはない』と。こう言うと、何を言ってるんだと返ってきそうだが、話したままはそういうことだ」

--核実験について、抗議ではないと

猪木氏「私の目的はスポーツ交流。人の流れを絶やさないこと。今後、政府がどう動くか。私は政府の代表ではない。そこはご理解ください」

--13日の記者会見で、菅義偉官房長官が渡航を批判していたが

猪木氏「もう一回、イラクのことを思い出してください。菅さんとしては立場上、そう言わざるを得ないでしょう。本音か知らないが。それは受け止めますけど。私なりの政治体験の中で。戦争の発端は何なんだ。ブッシュ(元米大統領)やブレア(元英首相)、裏の中にある話を多少、首を突っ込んで知っている限り、官房長官はそういわざるをえない」

--核の技術についての言及は

猪木氏「それは専門じゃないから、同行した人間の方が詳しい。まあ、実験も成功して、ますます技術も上がっていくでしょう。朝鮮民主主義武装なんとか会館があるんだが、機会があったら話聞いてください」

--9日に金氏と会ったときは、核実験やミサイルの話はなかったのか

猪木氏「レセプションの中ではなかった」

--台風の被害があったと思うが、要望とかは

猪木氏「昔、1989年、90年、コメの問題のとき、南(韓国)のコメを入れるとき、日本がコメの支援をするときがあって、とにかく南のコメを一粒入れてくださいと。そうすれば日本はできるようになるという提言をしたことがある。親書をあずかっていったことがある。今回の被害は聞いていたが、それほど大きいとは聞いてなかった」

--拉致問題で切り込んだ発言をしたのは(同行した日本維新の会の)松浪健太衆院議員か

「そうです。通常通りであれば、小泉(純一郎)政権の時代に1回、解決しました。そのあとに再開をしている。日本はその努力を認めていないという感じだった」

●=土へんに庸

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