正論

中露北に隣接する『悪い環境』 日本がうなされてきた「悪夢」いよいよ現実化か 京都大学名誉教授・中西輝政

中西輝政・京都大学名誉教授
中西輝政・京都大学名誉教授

 「中国、ロシア、北朝鮮。日本という国はなんと『悪い環境』に立地していることか。そして、いよいよ、この国の生存にとって『悪夢の季節』が始まってきた。私はもう10年以上も前から、ずっと今日の状況を予見し警鐘を鳴らし続けてきた。残念の一語に尽きる」-。

心胆を寒からしめた核実験

 この9月、切実にこの思いを抱いた日本人は多かったはずだ。しかし、実はこれは今から6年前の2010年の末に、私が月刊誌『WiLL』(11年2月号)に寄稿した論文の冒頭部分なのである。ことのきっかけは、10年9月に起きた尖閣諸島海域での中国の「漁船衝突」事件であった。いったんは逮捕した船長を中国の圧力で日本政府が釈放させられた、あの事件である。

 その2カ月後の11月にはメドベージェフ・ロシア大統領(当時)が国後島に上陸。さらに同月、北朝鮮が韓国領土である延坪島の市街地に無差別砲撃を行って民間人を含む23人の死傷者を出した。こうした出来事がわずか2カ月ほどの間に立て続けに起こっていたのである。