大手メーカーの工場に従業員を派遣し、工程管理などを請け負う人材会社「紀和」(大阪市西区)が、実質的には労働者であるにもかかわらず、従業員を「個人事業主」とみなし、さらに業務を請け負わせる形を取ることで、源泉所得税や消費税の納付を免れたとして、大阪国税局から所得隠しを指摘されたことが12日、わかった。両税の追徴税額は重加算税や無申告加算税を含め計1億数千万円で、同社は修正申告し納付した。
同社は平成3年設立。従業員は約150人で、大手鉄鋼メーカーの工場を中心に安全パトロールなどの業務請負を行っている。作業現場での安全衛生管理ノウハウには定評があるという。ホームページによると売上高は約7億円。
関係者によると、同社はメーカーから請け負った業務を、従業員一人一人に、さらに請け負わせる形を取ることで、従業員に支払う対価を賃金(給与所得)ではなく、所得税の源泉徴収義務を負わない外注費(事業所得)として処理。源泉所得税を計上していなかった。