「核のごみ」への責務(1)

最終処分場、議論もできず 国内貯蔵プール7割埋まる

【「核のごみ」への責務(1)】最終処分場、議論もできず 国内貯蔵プール7割埋まる
【「核のごみ」への責務(1)】最終処分場、議論もできず 国内貯蔵プール7割埋まる
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 東シナ海に臨む佐賀県玄海町。5カ月前の騒動が嘘のように、人口約6千人の小さな町はいつもの静けさを取り戻していた。

 「玄海町長、核ごみ処分場受け入れに前向き」

 4月下旬に全国紙が報じた町長、岸本英雄(63)のインタビュー記事。原子力発電の使用済み燃料から取り出した高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の受け入れについて、町長が前向きな考えを示した-。これを受け、町には多くの反対意見が寄せられた。「質問自体が『仮に』ということだったので、私も仮定の話として答えた。これが記事になるんだから…」

 同町には九州電力玄海原発1〜4号機がある。東京電力福島第1原発事故後の平成23年12月以降、全基が停止中だが、使用済み燃料を保管するプールの8割はすでに埋まり、再稼働すれば4年弱で満杯になる。

 岸本は、最終処分場の受け入れを具体的に考えているわけではない。ただ、自治体の首長として、原発の恩恵にあずかってきた一人としての思いもある。

 「国内で出た核のごみについて、国内に処分場を造るべきだという気持ちに変わりはない。国が町を適地として選んだ場合には、協議に応じる。協議もせず最初から駄目だというのは、首長の責任放棄だと思う」

「有望地」年内選定

 天然資源に乏しい日本は、原発をエネルギー政策の柱の一つに据えてきた。国内には計45基の原発があるが、現在稼働しているのは九州電力川内原発の2基と、四国電力伊方原発の1基だけだ。

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